こんにちは。イギリス在住会議通訳者の平松里英(rielondon)です。
通訳者が複数必要?コーディネーション料について
コーディネーション料とは?
複数の通訳者からなる通訳者チームとクライアント側の条件や質問、懸案事項や要望を取りまとめ、クライアント側との窓口となり双方向のやり取りを一本化させて取りまとめる際に適用される別料金です。
これまでも政府関係組織から直接ご依頼いただく際など、通訳チームの取りまとめ、及び、依頼主部署様との窓口業務を一本化してご用命いただいています。
そうすることにより、瑣末な調整や交渉などに割く時間や労力を極力減らし、御依頼主(クライアント様)の本来の業務に時間と労力を充てていただけます。
取りまとめ部分をクライアントが直接行う場合、通訳者人数分の通信連絡チャンネルが存在することになり、類似した問い合わせ内容であっても、各々の人に対して一つ一つ回答して応対しなければなりません。
しかも事前の条件交渉やイベント前の情報共有、それにかかる質疑応答はもちろん、イベント開催中の報・連・相つまり当日の会場到着を告げる報告はもちろん、誰々がトイレに行った、交代して誰々が休憩を取るといった連絡。小さな不明点の相談からイベント主催者には対応のしようがないような現場固有のトラブルまで逐一訊かれます。
そして、終わったら終わったで、イベント終了後の請求書のやり取りや入金完了に至るまですべてにおいて対応に追われます。
それどころか、関わる通訳者の人数分チャンネルがあるので、結果としてイベントオーガンナイザーの対応作業は倍増してしまいます。
また、通訳者から上がってくる相談事項や質問も、通訳と協働した経験が豊富な方でなければ、齟齬が起きたりしがちです。スムーズに行かないところが一つでも出てくると仕事は滞るものですよね。
私自身が通訳者として関わる、プレーイングマネージャーであることから、通訳者の視点で重要になる交渉事項や条件、確認事項などを見極め、予めポイントを押さえたコミュニケーションを図れます。
もっと平たくいってしまうと、通訳者の取りまとめは一筋縄では行きません。条件や希望(そうです、希望です!)の吸い上げ(時には、まるで宥め賺すかのように説得、じっくりと説明が必要なこともあります。)
業務に係る料金や経費、またそれらにおける条件も(例えば拘束8時間実働7時間の人や、拘束8時間実働6時間の人など)一人一人違うので、これらすべてを合理的、且つ、和やかに取りまとめるとなると、時間も手間も思った以上に掛かります。
さらに、この時点で良い関係が構築できるかどうか、それが当日の運びにも当然影響しますから、決して軽視できません。
イベントの準備や運営と言えば、ただでさえ「やること山積み」とお察しします。(私も規模は大きくないもののイベントをオーガナイズすることがあるのでわかります。)
結論、同時に複数の通訳者を慣れないなかで取りまとめる苦労を考えたら、しっかりと「取りまとめができる通訳者」に依頼した方が、断然効率的です。
※通訳者なら誰でも取りまとめができるわけではない点にご注意ください。
通訳者はフリーランスで従事している人がほとんどです。企業での就業(会社勤めの)経験がある人ばかりではありませんし、さらに人員を採用・管理したり、組織的に連携を取ったり、法務的な調整や予算管理などなど・・・これらのスキルは通訳とは全く別のスキルです。取りまとめに必要なスキル・経験を持ち合わせている通訳者は多くありません。
決して手前味噌ではなく、お伝えしておきますと・・・
私は日本の会社とイギリスの会社で会社勤めの経験が通算で10年ほどあり、日本では外資系企業で社内通訳翻訳部署の主任を務めていました。
部署の立ち上げから、社内人員および社外フリーランスの採用・管理(パフォーマンス評価や評価面接含む)、社内法務部との調整を含む契約内容の立案と作成、予算管理、スケジュール管理および相談窓口対応まで行なっていました。現在は、一通訳者として通訳サービス提供だけではなく、会社の経営もしています。
イギリスや欧州各国、アフリカなどで複数の日英通訳者が必要になる国際会議や国際フォーラムを控えているという方は、お気軽にご相談ください。無料コンサルテーションも受け付けています。
複数言語が必要になる場合にも他言語の同僚のネットワークがありますので、まずは「お問い合わせ」ページからお気軽にメッセージをお寄せください。
【関連記事】通訳料金と諸費用について