こんにちは。イギリス在住会議通訳者の平松里英(rielondon)です。
【読むポッドキャスト】009.日本で外資系企業で働くことについてのお話
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「日本人の英語を変える!ポッドキャスト」
009.日本で外資系企業で働くことについてのお話
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今回レギュラーのお相手を務めていただくのはベラ詩織さんです。
詩織さんは18才から26才までの8年間カナダで過ごし、高校からカレッジへ進学、そして現地での就職経験があります。
現在は日本に帰国されて、インバウンドビジネス、観光資源の翻訳やコンテンツ制作に携わっています。
今日のテーマは「日本で外資系企業で働く場合」です。
私はイギリスに12年前に移り住む前までの間の7〜8年くらい、アイルランドに修士で留学をして、日本に帰ってからまともにフルタイムで働いた期間っていうのはほとんど外資系で、そのあとイギリスに来たんですね。
なのでちょうど留学からイギリスに来るまでの間は外資系。
少し内資も入ってるんですけど。ほぼほぼ外資でしたね。
詩織さんも少しの間日本で外資系で働いたことがあるそうです。
カナダから日本に帰って「日本でどこかで働かなければ」と思った時に「海外が長いから内資で働くのは自分には合わないかな」と思ったことから外資を選んだそうです。
詩織さんの場合はそもそも社会人経験がカナダでスタートしていて、日本での就活・就職をしたことがありませんでした。
カナダには日本のような、一定の時期に集中的に学生がリクルートスーツを着て行う「就活」というものはないのだそうです。
イギリスでも同じで、集団でみんながある時期になるとリクルートスーツを着てどこかに行く、っていう感じではないですね。
うちの息子もイギリスで務めてますけど、そういう感じじゃなかったですよ。
カナダでは、インターンでそのままその会社に働く方などがいるそうです。
また詩織さんはカナダで「就職しなきゃ!」という風に思って就職をしたわけではなく、「これから学生生活が終わって就職です」という感覚もなかったそうです。
また、彼女自身だけでなく周りの人にもそういう感覚がなかった、とのことです。
すでにそれが日本の社会にとっては新しい感覚だと思いますね。
そこから3年前に帰ってきて、割とカナダが長くて…思春期の頃から。
それでカナダから帰ってきて外資系に勤めた時に、雰囲気など海外で働いていた時と似ていたのか、全然違ったのか?カルチャーショックはあったのでしょうか?
詩織さんの働いていた会社は本社がある国のような感じで’できていると思ったそうです。
実際にいたわけではないのでよくわからないが、本国にある本社で同じような感じになるのかというと「もしかしたら日本式なのかもしれない」とのことでした。
また、日本では働いたことがないため、そこが「外資系っぽい」のかはわからなかった、とのことで内資との比較をすることができなかったそうでが、思っていたより働きやすかったそうです。
日本は硬い感じなのかな、ちょっと怖いな、というイメージで構えてしまっていたようです。
海外から帰ってきて「さあ!ここから日本に再適応できるかしら?」って思いますもんね。
私の場合は日本にある外資系ということで、千葉にある会社だったんですけど。
外資だったんですけど、最初は合弁会社だったんですよ。
同じ会社の株式の保有株の割合が変わっていったので、そういうところで呼び方が変わったりしてるんですけど。
力関係も日本の内資と本国の力と最初は両方あったんですよ。
外資の方が保有率が少しだけ多かったのかな。
Casting voteってよく言いますけど、決定権っていうのは本国側、外資の方にあって、でも日本側の企業カルチャーみたいなのはあった状態だったんですよね、最初は。
そこからどんどん外資の方が増えていって、重要な部署とか、ほとんどの部署の重要ポストっていうのが外国人になるんですよ。
その下で働いているのが現地の人・日本人になるんです。
私の場合は英語圏の会社だったので、英語が話せる且つ海外経験もあって、感覚的にある程度外国人のディレクターとかそういう人たちの言わんとするところがなんとなくわかってくれる、みたいな人が持て囃されて。
ずっと内資とか海外旅行以外では日本からほとんど出たことがないような人たちっていうのは、どうしてもちょっとコミュニケーションがしづらくしている雰囲気っていうのはありましたね。
詩織さんが勤めていたところは、本国の方はその会社が日本に来たばかりの時はいらっしゃったそうですが、詩織さんが入った時はもうほとんど日本のスタッフになっていたそうです。
そうすると「外資」とはいうものの、外国にいるような感覚ではないのかというと、外国からの労働者も何%かは雇われていたので国際色はあったようで、上司は日本人が多かったのだそうです。
その上司には本国にそのまた上の上司がいて、本国への報告義務があります。
私がいた外資系は本国から外国人が飛ばされてきていました。
それでマネージメントするんですけど、日本語わからないし、日本の文化、商習慣もわからないですから。
その中でうまく泳げる社員と、なかなか泳げない社員っていうのがいて。
泳げない社員に対して私が思ったのは、私は英語を使うポジションだから得しただろうと思われると思うんですけど、通訳とか翻訳で入ってる場合はちょっと違うんですよ。
それぞれの話し合いとか、ミーティングの場で中立性を保とうとしてましたし、私はそこに自分のファンクションとして、役職とかでミーティングに参加しているわけではないから。
通訳として入っていたけど、インハウスっていう立場だったので。
中立になるために、できるだけそういうところにミーティングの時間以外に出入りをしないようにしてたんですね。
その中で行われた内容とかも当然漏らさないように。
聞いてくる人はいなかったですけど、でも中には興味があって探りを入れてくる人もたま〜にね、いますから。
絶対喋らないで話題を変えるっていう風にしてましたから。
そういった意味でも健全な距離感を保つようにはしてたので。
社内なんだけどちょっと関係的には隔離されたような部分に自分を位置づけていましたね。
私以外にも通訳・翻訳のスタッフもいましたけど。
他の部署の人と仲良くなってご飯とか食べにいったりとか飲みにいったりとかしてますよ。
してますけど、業務の中でのお話っていうのはそこではしない、っていう感じでしたね。
全然仲良くてBBQとかやりに行ったりしましたけどね。
そんな風だった中で見ていて、自分が通訳とかで入らせていただいたミーティングとか色々見ていく中で、全社のいろんな部署のいろんな立場の人と、外国人の「なんちゃらオフィサー」という、チーフ・エグゼクティブ・オフィサーとかチーフ・オペレーション・オフィサーとか、そういうような役職についている役員さんとかですけど、
そういう人とのミーティングの中で「これがわかっていたらすごくこの人たち全然人生違う」というか「会社の中でももっとやりやすかっただろうな」って思うことはあったので。
ちょっとそのお話をしたいなと。
会社のためを思って、トップダウンってよく言いますけど、上から「こうしろ」とか「これからこういう方向で行くぞ」とか言われた時に反発をするんですね、結構下の人が。
「〜こういうわけで、できません」とか「これだとこういう風に失敗します」とかっていうことを伝えに行くんですけど。
純粋にそれは会社のためを思って言ってるんですよ、本人は。
なんですけど、いきなりそのメッセージを伝えに行くと、自分に楯突いてると思っちゃうんですね。
なんでも否定的で「できないできないってことを言ってくる」っていう風に捉えてしまうんですよ。
日本語って結構否定的な言語。文体が否定的なんです。
「こうじゃないとできない」とか、それってネガティブな文ですよね。affirmativeじゃないですよね。肯定文じゃないので。
「こうならできる!」って言えばいいのにな、と思って。
「これは難しくて会社の方にダメージがくるけど、こうだったらできます」
なんならこの「こうだったらできます」を先に言ってから「あなたが提案しているこちらの方だとこういう風でダメージになる可能性がありますよ」って言えばいいんですよ。
持って行き方の問題で、一緒じゃんって思うかもしれないんですけど全然違うんですよね、これが!
まるで違うので「こうだったらできますよ」「こういう風に会社いくよ」とか「こう思ってる。提案です。みなさんよろしく!」とかって上が言って来た時に「ちょっとな…」って思った場合には言いに行く時に「こういう風だったらできますよ、こっちの方がいいですよ。なぜならば今提案されてる方法は〜でこういうリスクがあるから」とか言うと説得力があるんですよ。
「こうするとこういう風で上手くできません。〜だとこういうダメージがあります」だけを言っちゃうと、そこに「じゃあどうしろっていうの?」っていう代わりの案が入ってないんですね。
そうすると、どういうメッセージが伝わるかというと「嫌がってる」ってことだけが伝わっちゃうんです。違うのに。別にそう言ってるわけじゃないのに「嫌だってこと?断ったってことでしょ?」っていうことは「自分に歯向かった。会社の方針に歯向かったってことだよね?」ってなっちゃうんです。言語の違いがものすごく大きいんです。
Counter proposalっていう、提案を持っていく、ソリューションを提案するように持っていく方がいいですね。
ただ乖離してるとよくないですよ。出し抜けにいきなり藪から棒に提案しても「おっと!」ってなっちゃうので。
その辺は日本人が得意な根回し。コーヒーカップでも温めた方が美味しく飲めるから。
いきなりやっていいってことじゃないんですけど、ちょっと関係あるところの人に少しなんとなく雰囲気を提案してみて、その時の顔色を見たりとかして。
「すごいいいんじゃない?」って本気で思ってくれる感じだったら「いけそうかな」と思って推してみるとか。
その話をした時に「う〜ん…」とかって他の人がなったら実際に自分が提案した時に誰も援護射撃をしてくれなくなるので。
それってきついと思うんですね。
だからそういう部分の根回しとか横の部分とか縦の関係ってすごく大事ですけど。
私も8年ずっといて、それこそ下克上じゃないですけど、やっぱり足の引っ張り合いとかあるんですよ。
外資系の中で男の人が結構マッチョな感じの威張ってるおじさん達っていうのは、私みたいなのを目の敵にしてきますから。
全然負けてませんけど。でも私真っ向から反発したりしないので。
もうちょっと考えるので。誰にどういう風にものを言うかってちょっと考えるんですけど。
すごく失礼なこととか向こうから言ってきませんよ。
「お前〜!」とか言わないけど、やっぱり隅に置けないと思っているんじゃないですか、男性が。
ある程度地位のある人は目くじらをたてるほどじゃないんだけど「この女油断できない」っていう顔をしてますから。上等と思ってますからこっちは。
精神が強くなりますね。やっぱりうまくいくときばかりじゃなかったですよ。
辛酸も舐めてるし。煮え湯を飲まされてとっても恥ずかしい思いとかもしてますけど、最終的にはそれを全部教訓にして、さらに強くなって立ち向かう。
そしてさらに上をいくという。そして決心するだけです。難しいことを考えずに。
それは何を根拠に言っているのかというと、根拠は大してないです。
でも私根拠をちゃんと揃えるんですよ。数字とかを。
上の人って数字が好きだから、ちゃんとリサーチをして、根拠を揃えて逃げ場がないように「ああ出たらこう言う」「こう来たらこういうアプローチがある」っていう風に用意をしておいて話を進めるんですよ。自分の給料交渉とか。
「給料上げてください」とかだと「ダメ」ってなるから。3択ぐらいにしておくんです、例えば。そういう意味です、いくつかシナリオを作るって。
そうすると大体どれかに落ち着きますもんね。
前面から「ダメ」って終わらないじゃないですか。「ダメってどういうことですか?3つって言ったじゃないですか!」みたいな感じで持っていくっていう感じ。
日本人の間違えやすい英語・お作法のコーナー
詩織さんが日本に帰ってきて、テレビで芸能人の方が海外に行って現地の方にインタビューをしなければいけない、という番組を見たそうです。
その芸能人は「すいません、ちょっといいですか?」と声をかけたいのですが、excuse meではなく毎回sorry言っていたのだそうです。
「すみません」は直訳するとsorryなので、それで言っているのではないか、と思ったそうです。
その人だけではなく別の番組でも他の芸能人も同じようなミスをされているのを見たことも。
状況的には、人と相対して話したりしていない時に道ゆく人を呼び止める時にsorryと言っていた、ということ。
直訳ってことですよね。「すみません」=sorryだから。
でもこの場合はexcuse meですね。
これ系は結構ある気がするので、ちゃんと使い分けてexcuse meって言って欲しいですね。
私は昔、先ほどお話ししていた例の外資系のところでも一緒でしたね。
あまり英語ができない方がsorryって言うんですよ。
イギリスだといきなり声をかける…例えば自分が道に回ってお巡りさんに声をかけるとき、やっぱりexcuse meって言うな、私は。
Excuse me, sirとか言っちゃうかもしれない。
これを学校でhelloの前に教えて欲しかった、と詩織さん。
Helloはみんな知ってるから、helloを教えてくれる前に「呼びかける時はexcuse meと言うんだよ」っていう。
最初に習うのは Hello, my name is Mikeみたいな感じなので、そのぐらいの勢いでexcuse meをやって欲しかったってことですね。
This is a penより絶対使えると思う。2人ともthis is a penは使ったことはありません。
最初に習ったのに決して使わない文。
呼び止める時以外に他にexcuse meを使う場面といえば
物を落とした時、相手の前を通りたい時、くしゃみした時。
ちょっと席をはずします、と言いたい時はwill you excuse me?と言います。
すごく使えるフレーズだと思うのですが、sorryと混同されているということですね。
言語って日本語と英語のコンビネーションに限らないんですけど、1対1では相当しないんですよね。
次のエピソードは土曜日に配信されます。
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