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通訳になりたいけれどどこから始めていいか分からないあなたへ【其の弐:インバウンド増加でやってみたくなった人編】前編

ロンドン在住通訳者の平松里英(rielondon)です。

2018年の春から、レギュラーゲストとしてポッドキャスト番組『ロンドン発英語よもやま話』に出演いただいているランサムはなさんとの競作シリーズ第2弾です。前回と同じく、はなさんは主に翻訳者の視点から、私は通訳者の視点から同じテーマで「書きっこ」したいと思います。先週は「通訳者になりたいけれどどう始めたらいいかわからないあなたへ【其の壱:シングルマザー編】」をお届けしました。

今週は【其の弐:インバウンド増加でやってみたくなった人編】をお届けします!

インバウンド需要の増大と通訳需要

ここ数年間、劇的な伸びで急成長しているインバウンドの観光客数。

数年前のビザ発給要件の緩和なども相まって、今後ますます伸びていきそうです。爆買いや東京、京都・奈良といった観光地以外にも注目が集まっています。

沖縄県、福岡県をはじめとした九州、そして我が愛知県は名古屋ガイドブックで1ページにも満たない紹介内容だったのに、これは驚きです!)、北海道、新幹線が開通しディープな日本が体験できると新たに注目を集める金沢(北陸)など。

5年くらい前までは、外国人が日本に住むにはビザの規制がとても厳しく、強制送還だの何だのと、外国人に対して排他的な姿勢・・・。それが日本の距離感で、なかなか変わらない、と思っていました。

私が日本にいた頃は、英語を使った仕事をするなら外資系企業や内資でも本社のある首都圏、東京に行かないとダメ!というのが常識で私も収入の安定を求めて上京しましたが、10年ちょっとのあいだにこんなに変わってしまうなんて、想像もしていませんでした。

この10年の世の中の変化には、良くも悪くも驚いてしまうことが多いです

2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピック需要

さて、今年の秋はラグビーワールドカップが日本全国で開催されます。また来年2020年は東京オリンピック・パラリンピック夏季大会の年です!もう、インバウンドの波は大きくなることはあっても、小さくなることはちょっと考えられませんね。

こういったインバウンド需要の高まりは、地方創生に一役買ってくれそうな地方誘致のチャンスですから、数年前まではほとんど外国人を見かけることがなかったような地方都市や農村部でも外国人と接する機会が増えてきたのではないでしょうか?

それがきっかけとなって、それまでは特に関心を持っていなかった、あるいは最初から地方だから無理と諦めていた人でも、

「得意な英語を生かしてみたい!」
「通訳にトライしてみたい!!」

という人もいらっしゃるのではないかと思います。

インバウンド需要に応えて通訳をするなら何語がいいか?

近隣、アジア諸国からの訪問客が多いことを考えると、中国語、韓国語ができる方、勉強してきた方にはぴったりですね。ではそれ以外の言語はどうかと考えると、それ以外の言語は使用者の絶対数がいずれも大きくないことを考えると「世界共通語」である英語は押さえておきたいところです。

かれこれ20年以上も昔になりますが、私がまだ通訳として働いていなかった頃、名古屋の通訳学校併設の通訳翻訳会社で一時期アルバイトをしていたことがあります。通訳学校の教材の準備や工業系などの翻訳案件で翻訳が上がってきたらバイリンガルチェックなどもさせてもらいました。

バイリンガルチェックとは、日本語と英語の文を照らし合わせながら抜けがないか、目標言語側(日本語)にした時に英語の解釈に間違いがないか、誤字脱字がないか、などレビューをすることですが、チェック作業をしていたある日のこと。

私の隣に座って私に指示を出していたプロマネ(プロジェクトマネージャー、翻訳案件の担当者)が、電話に出ました。通訳志望でかかってきた問い合わせ電話だったようです。聞き耳を立てていたわけではないのですが、真横だったので聞こえてきてしまったのですが・・・。

「他の言語ができても、まずは英語ができないと。数としてはやはり英語の案件が多いので・・・ええ・・・まずは英語ですね。」

と応答。

電話を切ってからも私に

「英語以外の外国語ができるのはそれはそれで素晴らしいんだけど、まずは英語。英語ができないとなると、お仕事がなかなか紹介できないからね〜。」

と話していた様子を今でも覚えています。

レベルはともかく、英語を自分の使用言語のなかに加えて、少しずつ関心のあるところから拾っていけば、そのうちに自分なりのやり方、これなら続けられそう・・・というやり方が見つかると思います。前回の記事でも言いましたが、留学しなくても自力で英語の語学力は努力次第で身につけられますから。

しかし

通訳の仕事は語学面だけではありません。とくにインバウンドの通訳をする人は日本国内で外国人を迎えるので、語学力以外に身につけなければならない重要なスキルがあります。それは、マイノリティーとしての感覚や気持ち、その想像力を磨くこと思いやって「あげる」とか同情ではない、です。「かわいそう」だから「特別扱いする」とか、そちらの方向ではないのです、決して。

迎え入れる側は常にマジョリティー。外国人=その社会でマイノリティです。マイノリティの立場のが理解できることがすごく大切なのです。そういう意味では海外で「外国人として暮らした」経験があった方がいい。それも、海外旅行などで短期間ではなく、できれば長期間で。

マジョリティとマイノリティの話はなにも外国人に限ったことではありません。男女に置き換えるならジェンダーだし、富で考えるなら富裕層と貧困層先進国と発展途上国(新興国ではなく、とくに後発発展途上国)など。健常者と身体障害者もそうです。

差別されたり(ただの思い込みかもしれないけれども)差別されたような嫌な気分を味わったという経験も含めて、悔しいとか、寂しいとか、不便だという思いを乗り越えたところに、辿り着ける境地があるのですが、こればっかりは、じっくりと悩んで当事者として経験をしてみないと、なかなか培われない感覚ではあります。

だから、国内で自国にいる安心感の中で外国人を受け入れる立場にある人は、努めてこの感覚を養い、補う必要があります。外国生活、留学生活で磨くべきは、まさにここです

と、ここまで書いてきて思い出しました。イチロー選手が引退会見で言っていましたね。
(以下)

アメリカに来て、メジャーリーグに来て、外国人になったことアメリカでは僕は外国人ですから。このことは、外国人になったことで人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れたんですよね。この体験というのは、本を読んだり、情報を取ることができたとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。
孤独を感じて苦しんだこと、多々ありました。ありましたけど、その体験は未来の自分にとって大きな支えになるんだろうと今は思います。だから、つらいこと、しんどいことから逃げたいというのは当然のことなんですけど、でもエネルギーのある元気のある時にそれに立ち向かっていく。そのことはすごく人として重要なことではないかと感じています。

心なしか、本人もこの部分はことさら強調して言っていたように、私には感じられました。
実際は語気を強めてなどいなかったかも知れませんが、それだけ「そうそう!」と私の心に響いたのだと思います。

このなかの「だから、つらいこと、しんどいことから逃げたいというのは当然のことなんですけど、でもエネルギーのある元気のある時にそれに立ち向かっていく

エネルギーのある、元気のあるとき、っていつのことなんでしょう?

若いとき?

じゃあ、若いときっていつまで

移住もそうですが、エネルギーがあるときじゃないとしんどくて無理だったろうな、と今はつくづく思います。

それなのに(驚)!

20年前に子連れ留学から日本に帰ってきたとき「もう!しんどい。この先また海外に出るなんてことは到底無理。そんな動きもないだろうから心配する必要ないけどー。

なんて心の底から思っていたのに、よもや、さらに年齢を重ねた7年後に留学よりも大幅にスケールアップした子連れ「移住」する決意をするとは、その瞬間は思いもしませんでした。だから、人生なにが起こるか分からない。自分がどんな気持ちになるかなんて分かっているつもりでも、分かりゃしません。

いや、もう歳だから・・・」とか「離婚してるから・・・」とか「子供がいるから・・・」とか、そういう前提ですべてを決めない方がいい、もう若くないと思ったとしても平均寿命で考えてあとどれだけ活きると思いますか? その数十年「もう歳だから〜」と言って過ごすなんで、あまりにも勿体無い!! 拡がる可能性を自ら摘んでしまっているかも知れませんよ〜!

 

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