こんにちは。イギリス在住会議通訳者 の平松里英( rielondon )です。
今週は英語になった日本語のお話しです。
例えば「積読」(つんどく)という言葉は最近、ロンドンでは英語 として使われつつあるという、ちょっとびっくりするお話しです。
また定番の「ラーメン」などに加えて「カツカレー」「パン粉」と いう言葉まで、英語になりつつあるということに驚かされます。
そして先週に引き続き、質問コーナーでは、はなさんが翻訳者にな ったきっかけのお仕事のお話しです。
IT系新聞のプレスリリースの翻訳を2年間ほぼ毎日行ったそうで 、とても興味深いお話しをぜひお聴きください!
この番組ではイギリスやアメリカの英語表現や現地での様子についてご紹介いたします。
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今週は「英語になった日本語の話」ということで。早速いってみたいと思いますけども。
この間ね、BBCの番組でやってたんですけど「積読」っていう言葉あるじゃないですか日本語で。
積み木の「積」に「読」と書いて「積読」。要は本を買ってきて、それで安心してしまって、どんどん笠は積み上げられていって高くなるんだけれども実は読み進まないって。まったく私その典型ですけれども。
「積読」って言いますよね。「積む」という。積む、読む、積読。
らしいんですよ。まあ巷の会話ではまだ聞きませんけども。
基本的には。「積んどく」がなった、っていうことなんですけど。
こんなね、音が、日本的な音。特に「つ」っていうひらがなで始まってるじゃないですか。
「つ」ってすごく発音しづらいと思うんですよ、英語圏の人。
ね。これが英語になるにはどういう下地があるのかなとか考えてしまうんですけれども。そういうとね、こちら結構日本食の手軽にお持ち帰りもできるようなお店ってことで、すごくローカライズされてるお食事なんですけど”Itsu”っていうお店があるんですね、チェーンが。
うん。チェーン店の。I T S Uと書いてitsuっていうお店なんですけど。
ああいう「つ」っていうT S Uとかがね、すごく日本っぽいんだと思いますよ多分。
そうそう…そんな感じはしますけど。
最初「積ん読」が英語になったって聞いた時は「数独」ってあるじゃないですか。
「数独」ってすごく流行ってる。まあロングランですけどね。
人気あって、そういうのもあって音が似てるのかしら、なんて思ったりしたんですけどね。
本売ってますよね。本屋さん行くと普通に。Sudoku。
たくさんありますよね、そういえば。何種類も置いてある。
好きですよね。イギリスの人もすっごく好きですけど、アメリカの人も好きですか?
実際にやってる人は知らないですけど、ああやって本屋さんに置いてあるってことは人気あるってことなんじゃないですかね?
間違いないと思います。根強いですよね。日本の人気よりも高いんじゃないですか?海外の方が。
うん、なんかそれっぽい。わからないけど。比べたことないから。
ね。日本と違って息が長いですからね海外の場合は1回ブームになったら。
それ系の単語でいくと”Emoji”ですね。絵文字。
EmotionとIconが一緒になってEmoticonって言ってた気がするんだけど。Emojiですよ。
うん。不思議ですね、すごく。それ系で行くと、どうなんだろうな。「カツカレー」とか?
カツカレー?カツカレーってイギリスで人気あるんですか?
人気ですね今。ってか当たり前になってきましたねカツカレーは。
多分家でも作ってますよ皆さん。カツカレーキットとか売ってますもん普通にスーパーに。
え、それって日本のメーカーじゃないところも出してるんですか?
そうですそうです。そうじゃない現地の。普通にスーパーで売ってるんですよ。
厳密に言うとカツって普通油で揚げてあるじゃないですか。
パン粉もあれですよね。市民権を獲得してますよね最近。
そうなんですよ。ファストフード系とか行くとパン粉で揚げたオニオンリングとかさ。
Breadcrumbって言えばいいのに、日本のパン粉で作ったのがミソだよ、みたいな。パン粉って、スーパー行くとパン粉って売ってますよ。
日本から持ってきたパンで作ったパン粉のわけはないでしょ?
わかんないけどでもP A N K Oって書いて売ってる、箱に。
なんならあれですよね、カッコ書きっていうかQuotation markに入ってるっていうやつですよね?”Panko”
そうそう、わかんない人のためにJapanese style breadcrumbって説明書きもついてるけど。
でもJapanese styleって書いてる。Pankoって売ってるからビックリしましたね。「え〜っ!」と思って。まさかパン粉がここまで市民権を獲得するとは思わなかった、みたいな。
それでいくとね、カツカレーとかもカツ入ってないのにカツカレーとか言ってる人いますね。
カツカレーのカツが「カツ」のことだってわかってない人いますよ。
じゃあさ、カツカレーってなんだと思ってるんですか?
おかしいでしょ?カツカレーっていう種類のカレーがあって。
そう。おかしいでしょ?それをカツカレーと呼ばれるとね、私はちょっとムズムズっとするんですけど。
「これどこがカツなの?」っていう感じなんですけどね。
そうそう。”Katsu curry type of curry”とかって言ってて。「何それ?」って思ったんですよ。「それってさ、別に日本風のカレーじゃん?」とか思ったんですね。
はな:へ〜、おもしろい。[/speech_bubble]
なんなら日本風のカレーって実はイギリスから来てるんだけどね、みたいなね。
渡ったっていうか伝わったっていう、海軍。まあこれは聞いた話なんですけれども、海軍だと海にずっといるから、新鮮な食材が手に入らないと。で、肉とかも臭い消しが必要なわけですね。
カレーは香辛料だから、カレーを使って料理をすると臭いが気にならない。
っていうんで、それでイギリスでは、海軍ですけども、カレーを使うようになったっていう。
カレー自体はインドが植民地でしたから香辛料が入るじゃないですか。
っていう流れがあってそれが日本の海軍に伝わって、日本の海軍から全国に伝わったとかっていう風に話は聞いたんですけどね。
うんうん…そう。だからああいう、いわゆる日本で言うところのカレールー、かなり繋ぎが入ってるじゃないですか。インド風のカレーとかと比べたら。
あれはイギリスのシチューとかと似てますよねどちらかというと。
それをカレー粉に置き換えたのでは?っていう気はしますけどね。
それは私が勝手に言ってるんですけどね。
ふ〜ん、そうなんだ。じゃあカツカレーはちょっと逆輸入っぽいみたいな。
うん。だと思いますけどね。でも知られていないみたいです。
本当ですよね。一昔前ラーメンなんて絶対手に入らなかったのに、最近すごいですよ。
うん。熱くしてって言わないとダメですよね、お店に。
そうですそうです。それ言いたくなりますね。さすがに言わないですけど。混んでることが多いから。
でね、先週のお話、結構キリのいいところまではお話いただいたんですけれども、もう少しお話があったと思うので。「先週のなんのお話?」って、先週聞いてらっしゃらない人もいると思うので手短に言いますと、聴視者から質問、ご相談を受けまして「里英さんとはなさんと、2人共通訳者及び翻訳者にはどういうきっかけでなったんですか?」っていうことだったんですけれども。はなさんの方からいくつかお話を。「こういうようなことを経て翻訳者になってきました」っていうところで1番ターニングポイントの1つとなったのが、2年間毎日行ったプレスリリースの翻訳だっていうことで伺ったんですけども、そちらがITの分野だったんですよね。
元々別にITとかそういった少し理系寄りのバックグラウンドを持っていらしたわけではないとおっしゃいましたっけ?
そうです完全文系でしたね。全然畑違いだと思ったんですけど。本来であれば私のバックグラウンドって言ったら文系、文学やるのが筋じゃない?って思ってたぐらい縁のない話だと思ってたんですけど。でも記事がITの話だし、自分も知識もないけど要するにプレスリリースってその時その時の最新製品だから、私も知らないけど読者も知らないんですよね、新商品だから。
だから、これは一体何だろうって思って色んな人に訊きまくったりとか、コンピューターの専門家の人に訊きに行ったりとか。とにかくプレスリリースって毎日あるんで、2〜3時間でまとめないとダメなんですよ。
その制限時間の間にクイズタイムショックみたいな感じで色んなところに質問しまくってなんとか記事にまとめるっていうのをず〜っとひたすらひたすら繰り返してやっていたんですけど。
結構多かったですよ。1日2本はやってたんで、多い時は3本とかやってたんですけど。
だからね、記事だから長かったり短かったりするんですけれども。短いのはいいですよ。短いのは2段落ぐらいだけど。300語とかそれぐらいからあるけど。長いのになると1000語超えてたりするから、長かったですよ。でも「一字一句じゃなくてもいいので要約で」とも言われてたんだけど、要約って言われてもなかなか…
だからどっちかっていうと翻訳に近い感じで制限時間内にとにかくやらないといけないっていうので、いっつもお尻に火がついてる感じでしたね。
そうですよね。だって毎日ですもんね。要は土日以外は毎日毎日あったっていうことですか?
え〜!ちょっと待ってください。2年間、クリスマスとかも、なんならお休みなく365日ないしは366日やってたってことですか?
休みたいって言って休みを貰うのでない限り、毎日毎日ですよ。
いや、この話ちょっとおもしろすぎます。お時間来ちゃったんで、来週またそのお話聞いてもいいですか?
ぜひぜひ。じゃあ今日は、というか今週はこの辺で。Bye!
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