こんにちは。イギリス在住会議通訳者 の平松里英( rielondon )です。
先週に引き続き、通訳を目指す方からの質問にお答えします。
通訳になるには、色々な方法があるようです。
そして通訳の学校ではどんなことを学んで、卒業したらどのように仕事をしていくのか、など経験者ならではのリアルなお話しです。
通訳さんのお仕事の実状など、とても楽しいお話しをぜひお聴きください!
この番組ではイギリスやアメリカの英語表現や現地での様子についてご紹介いたします。
また、英語の勉強に関するご質問やご相談を受け付けています。
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今週もよろしくお願いします。
先週に引き続きですね、通訳になりたい、卵の方からお問い合わせ、ご相談頂いたことについて先週から回答というか、お話ししているんですけども。
はなさんの場合は翻訳なんでって。翻訳と通訳は一緒に見られてることが多いじゃないですか。
ね。お客さんのところに行っても「翻訳してもらえますか?」とかって言われて。
これ…って思うこととかあるんでね。これを翻訳と呼ぶか通訳と呼ぶかっていうそこの話というよりは、ね。
場所によります。日本だと一番王道は通訳学校があって、そこで何年か、要は一定のレベルに達するまで勉強して。多くは通訳学校についてる、付随している。
そうそう…エージェントがやってるというか学校がやってるエージェント。どういう順番で言ったらいいのか。どっちかっていうと会社が…どっちもあるわ。どっちもあるんですけど要はエージェントと学校がほぼ一体というか。一緒になってる。そうすると学校卒業したらそこで登録してもらって仕事をもらうようになるのが多いと思います。
そうじゃないとなれないかっていうとそんなことはないですけどね。
イギリスとか他のヨーロッパの国なんかだと、もしかしたらアメリカもそうかな?四大を出た後、修士課程で、1年だったり2年だったり大学によるんだけども、通訳科を出るんですよ。
はっきり言うとそれがないとこの辺の地域では通訳者にはなれない。特に会議通訳者なんかにはなれない感じがありますね。
昔、これで30年以上前からやってるっていう人なんかはちょっと入り方が違うかもしれないですけど。
答えになってます?
うん。独り立ちするまでに大体どれぐらい年月がかかるんですかね?
これがね、個人差があるんです。コースも全然通訳としてプロでやってるけれども先週もお話ししたDPSIですね。警察とか病院とかでいわゆるコミュニティ通訳としては何年もやっててって人が会議通訳のコースを取ったりとかいうことあるんで。要は入ってくる新入生たちが経験者だったりするんですよ結構。
ただ四大上がりみたいな人もいるので、クラスの中で結構経験差がある。
なので何年ぐらいかかるっていうのは、例えば完全に学生で、学生から学生っていう形でコースを取った人とかだと、そのコースを出ていきなりフリーランスになって食べていけるかっていうと多分厳しいです。
他の言語とかも聞いてるけど厳しくて、よくあるのはこっちの翻訳とか通訳のエージェントにプロジェクトマネージャーとして入って。
この辺が日本と感覚が違うんじゃないかなと私は思ってるんですけど。
要はプロジェクトマネージャーってプロジェクトを管理、きっちりマネージメントしなきゃいけないわけで。プロデューサーとしての仕事みたいな役割って入ってくると思うんです。なので要は右から左へとか左から右へ、咀嚼しないで連絡をされたのでは困るんですけど、新卒の子でそこまできちんとしたマネジメントってできるのかしら?っていうのはありますよね。
例えば翻訳なんかもそうじゃないですか。問い合わせがきました、ここの訳について、極端なこというと、これ違ってるとかって、こういう言い方じゃなくてこうして欲しいとかいう問い合わせが来た。こうして欲しいではなく、ここ違うとかって例えば来たとするとそれを翻訳者さんにまんま「クライアントがこう言ってます」っていう振り方をしちゃうんじゃないかなって思うんですよね。要は自分の方で1回精査しないといけないと思うんですよ。
間に入ってマネージメントするんだったら。こっちの方向も。
それでまとめていかなければいけないんだけれど、マネージメントとはいうものの名ばかりで結局右から左へとか左から右へ流してるだけだったら全然話しってこじれるだけだから。
でもそういうところに入って、いろんなフリーランスが多いですかね、翻訳の人たち。そういう人たちの間、お客さんとの間に入って経験を積みながらそれで通訳で独り立ちしていくとかって人もいるみたい。
まあやってること違いますけどね。分野は一緒だけど。
それ以外だと、私とかもそうですけど元々経験者で通訳者としてやっていて、そのコースに入った人とかだともう全然違いますよね。
いきなり使うから。要はバージョンアップ。資格とかスキルのバージョンアップと思ってコースに行ってますから私たち。取れたら早速それを使う、みたいな感じなので仕事も結局会議通訳のコース行って同時通訳のスキルを得たんでお仕事くださいみたいなこと言ってエージェントに登録し直すわけですけどね。
だから一人前になるのに、っていうところでは仕事量による。
忙しく入って、そこで毎回ちゃんと考えて試行錯誤していく人であればそれでも3年くらいかな。
たぶん1〜2年とかだと数も知れてるし、使う方もちょっとおっかなびっくりなんですよ。だけど例えば1〜2年なんだけど、ものすごくリストアップされている、仕事の数が。かなりの件数やってるな、っていったらいいかもしれないですね。
1つには慣れっていうのがあるんですよ。やっぱり数をこなしていく中でいろんなことにぶち当たるので、その度にそれを解決していったり考えたり。
まあそこで仮に失敗しましたと、そこから反省をして学ぶことっていうのは多いので。間が空いてるとキツイじゃないですか。半年以上とか空いてると、1件と次の案件の間に、なかなかその学習ってできないと思うんですね。
通訳って一口にいっても色んなライフスタイルの人いますから一口に言えないですけど。でも繁忙期と閑散期があるのはみんな一緒だと思うんですね。ずっと開店休業って人もいるかもしれないけども。いわゆる通訳をフルタイムでやってる人だったら春秋が忙しくて。
あとはやっぱりすごいスローダウンするときがあるんですよ。
忙しいときっていうと違う分野の案件が、例えば今日は車関係、明後日は別の関係とか。全然違う分野のやつが次々に来てたりとかするんで、それに慣れていくっていうのもスキルだと思います。
普通の仕事だとそれってないと思うんですよ。いつもこう、やりとりしている相手は同じ分野の人だったりとか。場所も同じだったり、変わるにしても似ている環境だったりとかするのかなと思って。
それが全然違いますよね。あるときは工場だったと思うと次はテレビ局だったり、私なんかは劇場だったりとか。突然撮影スタジオとかいって冬ですと寒いですしね。
そうかと思うとブース。会議通訳だとブースに入ることが多いですけど。全然建て付けが違うので。
他はフルタイムがいいかパートタイムがいいかっていうのは、もし時間がたっぷりあるんだったら、言い方を変えると、働きながら学校に行かなきゃいけないんだったら、私そうだったんですけど、パートタイムしかないと思うんですよ。
フルタイムだともうみっちりそれに集中しないといけない。そのacademic yearの間は。まるっと1年それに費やす。それと仕事をする時間はほとんどないと思いますね。
だって授業だけじゃないから。うん。授業だけ出て終わりじゃなくて。その授業と授業の間にどれだけ課題をこなすかとか自分の練習をするかに関わってくることなので。
っていうのは、たかだかね、9月から始まって5月で終わるわけじゃないですか、授業って。9・10・11・12・1・ 2・3・4・5、9ヶ月でね、一端の通訳になれるほどの練習量はないです。
同時通訳ってどんなもの?逐次通訳ってどんなものnote takingって何なの?とか、どういうことを通訳として守らなきゃいけないの?とか、そういうのの、いろはの「い」って言ったらいいかな?を、こうザ〜っと教えてもらって、こういう技術が必要になるしこういうスキルは蓄えなきゃいけないし、培っていかなきゃいけないしみたいなことをやって9ヶ月ですよ。もう。
ものすごくそんな網羅してできるわけじゃないんでね。
ただ広く、ある程度深くやってくれるので、コースの中では。結構自分たちも試行錯誤しなきゃいけないですし、そういう意味では全然意味があると思います。だいたい「そんなこと知らなかった」ってことが多いはずなんですよ。まあ私はちょっと違いますけど、経験者でもう長いことやってきてコースに行ってますから。それでもこんなことまともにっていうか、改めて考えたことはなかったな、とかいうことがもちろんあったんですけど。
通訳の勉強が初めてっていう人にとっては目から鱗っていうか「え、そうなの?」ってことばっかりなんじゃないかなと思います。
面白いと思いますよ。最初のaptitude testっていって、要はこのコースに入れるレベルに達してるかっていうテストがあるんですよ。それをちょっとパスしないといけないですけどね。英語でスピーチをするんですけど。それだけだったかな?他にもあった気がする。なんかちょっと訳させられたような気がする。何年か前で忘れましたけど。
で、それを見てレベルに達してたら入れる。
例え受けた人が1人とかしかいなくてもレベルに達してなかったら入れないんですよね。
だからそこはちょっと注意が必要で。
よくあるのが英語力、もちろん多言語クラスになるので英語とかその辺しかチェックできないと思う。もう一個の他方の言語に関して は難しいんですが、でも日本語ももちろん例外ではなくて、日本語力を上げておかないとっていうかある程度高いレベルにないと。
そうですよね。引き出しが少ないし、英語では意味がわかっても日本語に訳せないみたいな。逆もしかりですけど。とは思いますね。
そうそう。他になんかありますか?ご相談頂いた話の中では他にもあったんですけど。
じゃあ質問。専門性っていうのは決めるんですかね?例えば翻訳者だとIT翻訳者とかね。あるじゃないですか、基本が。通訳さんはどうなんですか?
通訳さんは専門を限ってやってる人は中にはいます。例えばIRとか。IRってそのままでいいんですかね?Investor Relations。ああいうのとかだと結構仕事量はあるんですよ、おそらくそれだけで。
あとは医療。医療でも学会でやる医療と病院の医療。言葉もMedicalとHealthcareで違うんだけども、医学ですよね。違うんで、医学なら医学メインでほぼそればっかりっていう人もいます。
例えば歯学なんか難しい。歯なんかすっごく知識も特定だし。語彙が漢字が並んでてすごく特化してますよね。だからこっちの方が強いとかいったらそれはそれで1年に何回くらいお声かかるかわかんないですけどそういうのはあると思います。でも基本的にはみんなgeneralistですね。まずは。
どんなことを振られてもある程度はパフォーマンスができる。ある程度って要はお客さんに満足していただける以上のパフォーマンスができないといけないっていうのはあります。
翻訳なんかだと実務翻訳で、実務翻訳の中でまた、先ほどはなさんおっしゃってましたけどITならITって方もいらっしゃると思うんですけどそれはそれでいいんですけどね。
特化して同じことばっかりやりたい人とかだったらインハウスなんかがいいとおもいますよ。どっかの企業とかに入っちゃって、社内のの通訳をするっていう。
もちろんgeneralistっていうのがあった上で、そういう基盤があった上で、この分野すごく強いっていうのがあるのがいい。理想的。
要はどれも中途半端っていうのはよくないじゃないですか。
次の質問に行こうと思ったんですけど時間いっぱいになっちゃいました。
この番組ではみなさんからの英語の勉強に関するご相談や質問を受け付けています。番組内でお答えしていきますのでお気軽にどしどしお寄せください。
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